パソコン教室の開業・経営バイブル!利益に差が出る時間割設定のノウハウとは?

理事長の澤嶋です。

東京世田谷で17年間パソコン教室を経営してきました。

 

経営当初は時間割をどのように設定したら効率が良いのか?悩んでいました。

 

基本的には、効率よくレッスンが回せること、教室の都合と重ねて設定すればよいかと思いますが

何も考えずただ何となく決めたような時間割にしている教室も見かけます。

たかが時間割と思うかもしれませんが、後から変更したくても生徒が増えてくると難しいので、開業当初は慎重に決めたほうがいいと思います。

 

今回は私の経験から、

売上もあがり生徒の満足度も高まる理想の時間割ノウハウを公開します。

 

まずは適切な1回あたりのレッスン時間を決める

1レッスンの時間はどのくらいが最適なのでしょう?

今までの経験では、1時間半、約90分が合っているように思います。

理由は、生徒の集中持続時間。

過去の生徒を見ると、平均1時間10分がレッスンに集中できる時間でした。

多少の余裕を持たせて1回90分レッスンが、生徒も満足できる時間だと思います。

 

しかし商売上は1回90分レッスンは向いていません。

1回1時間以上の時間割は、限られた営業時間の中でコマ数を稼ぐことが難しくなります。

疲れやすい年配の方にはもう少し短めのほうがいい場合もあったり、

もっとたくさんレッスンしたい方には1回90分のレッスンを2回分では

180分(3時間)になるので、それだと長すぎる場合があります。

 

また90分だと1回あたりのレッスン単価を、1.5倍以上に設定する必要があるため、

単価が高く映ってしまいます。

 

1回50分レッスンが最適

結果から言いますと、1回50分のレッスン。

+休憩・入れ替え時間を10分にした1コマ60分が理想です。

 

集中が続かない方は、1回50分で終わり。

もう少し勉強をしたい方は、1回50分のレッスンを2回、3回と続けていただければいいので汎用性が高い。

 

過去に最適な時間割を研究してきました。

1回40分、50分、60分、90分、120分…

生徒の満足度だけで考えると90分が理想でした。

しかし利益牲を考えると不完全でした。

 

10分でも違うと、一日に設定できるコマ数が変わってきます。

コマ数が多いほうが回転も多く稼げますが短すぎると満足度が下がります。

研究するとかなりシビアなことに気づきました。

 

面白いもので、私の教室は英会話教室も運営していますが

40分がベストでした。これは利益牲も考えると2コマ連続で受講することが前提です。

 

パソコンは50分となりました。

なぜ英会話より10分長いかというと、作業時間があるからです。

英会話は会話をするので、この分減ります。

 

これが60分になると、コマ数が稼げず、2コマ連続で受講すると長すぎます。

 

パソコン教室の1回のレッスン時間のベストは1回50分。これは間違えないと思います。

 

ここまでは、個別指導型のパソコン教室でのお話しですが、

もしグループ授業を併用する場合、グループですと2時間程度が最適なレッスン時間です。

私の教室の場合、iPad講座は、グループでご案内していますが、

2コマ連続で受講してもらっています。

グループの場合でも、1回50分は、汎用性がありますので最適です。

 

車が生活の足になる地域の場合の注意点

私の教室は、都内の住宅街のため、隣の駅までは2km程度となっており

日常の足は、徒歩や自転車。隣駅以上は電車通学が基本です。

 

しかし教室が郊外にあり、人々の日常の足が車が中心の地域の場合、

レッスン時間と次のレッスン時間の間の時間を考慮しなくてはいけません。

 

駐車場の台数に余裕がある場合はいいのですが、

前のレッスンの生徒が、レッスンが終わって車を移動するまで、次の方のレッスンにいらした方が待たないと停められない場合があるからです。

 

特にシニアの方は、どうしても行動が遅いので

時間が過ぎてもなかなか帰宅しないこともあります。

 

これが頻発しますとクレームにもつながりますので、

駐車場を必要以上に確保するか、

次のレッスンまでのインターバルを長めにしておくなどの工夫が必要になります。

 

売上に直結するレッスン時間割

理想は1回50分のレッスンを、1日に2回続けて受けていただくのが最適です。

途中に10分間の休憩、最後に10分間の片付けの時間も入れると、ちょうど2時間となります。

2時間の教室滞在時間は、生徒にとって満足度も高く、これが半分の1時間ですと、あっという間という印象です。

例えば1か月間に8時間のコースを受講される生徒が、

1時間ずつ8回通うよりも、2時間ずつ4回通ったほうが効率が良い。

1時間ずつでは、前回の内容を思い出したり片付けの時間も考えるとなかなか進歩しません。

集中が続かない、予定が難しいという方は除いて、1回の来校で2時間以上のレッスンを勧めるようにします。

 

実は、この提案がきっちりできていない教室は、満足度も下がり売上も上がりません。

 

1日の時間割の設定

私の教室では、曜日によって時間割の違いがありますが、

基本的には下記のようになります。

  1. 9:50~10:40
  2. 10:50~11:40
  3. お昼休憩
  4. 13:00~13:50
  5. 14:00~14:50
  6. 15:00~15:50
  7. 16:00~16:50
  8. 休憩
  9. 18:00~18:50
  10. 19:00~19:50

1日に合計8コマです。

午前中は、中途半端な時間から開始していますが、これは教室の都合で昼休みを少し早く取りたいため

10分前倒しているだけですので、シンプルに10時から、11時からにしても良いかと思います。曜日により、18時以降をお休みにしたり、13時~15時を中休みにしたりすることがあります。

上記時間割は、たくさんの教室に薦めてきた基本の時間割です。

 

ターゲット別時間割攻略方法

ただ何となく、一日にたくさんのコマを用意するだけではなく、時間ごとのターゲットに合わせた戦略的な時間割を考えなくてはいけません。

 

パソコン教室は、他の業種に比べると生徒の年齢層が幅広いのが特徴です。

一昔前では、シニアにターゲットを絞っていましたが、

現在では、子供(小学生~)、大学生、主婦、シニアと、全世代対応型が理想となっていて、各ターゲットごとに通いやすい時間が変わってきます。

 

特に需要が高いのは、だいたいどこの教室でも午前中です。

これは、業界をあまり知らない方は驚かれるのですが、午前中という時間はまさにパソコン教室のゴールデンタイムで、

集中力が続かず早めの行動をとるシニア層、小さな子供がいる主婦層には特に人気がある時間帯です。

 

地域性や資格やビジネスマン向けに特化している場合、あえてこの時間帯は休みにしてしまう場合もあります。

特に一人で運営している場合は、夜まで働かなければいけませんから、午後から営業開始にすることも検討してもいいかと思います。

 

逆にターゲット層が主婦やシニアの場合は、夜の時間割を週2日程度にするか、様子をみてから開校しても良いと思います。

 

理想の時間割

以下は、私の経験からの理想の時間割です。

  1. 9:00~9:50(主婦・シニア向け)
  2. 10:00~10:50(主婦・シニア向け)
  3. 11:00~11:50(主婦・シニア向け)
  4. 12:00~12:50(主婦・シニア向け)
  5. 休憩
  6. 14:00~14:50(主婦向け)
  7. 15:00~16:50(主婦向け)
  8. 17:00~17:50(子供向け)
  9. 18:00~18:50(子供向け)
  10. 19:00~19:50(ビジネスマン・OL向け)
  11. 20:00~20:50(ビジネスマン・OL向け)

 

午前中のコマ数を増やす

ゴールデンタイムとなる午前中は、9時スタートとして通常お昼休みにする12時台にもレッスンを設定して

最大限、ゴールデンタイムとなる午前中を広げます。

12時からの時間割は、午後に用事がある方にとっても比較的都合がよく、午前中とみなしてくれるのでこれにより午前中に4コマ稼げます。

 

午後の時間の使い方

13時からの時間というのは、比較的ニーズの少ない時間となっています。

理由としてはお昼ご飯を食べてから、すぐの13時ということや、お腹が膨れて眠くなる時間だからです。

理想の時間割では、このニーズの少ない13時を休憩にして、14時スタートにしています。

14時スタートは、2コマ連続で受講する主婦にもちょうどよく、夕食の準備や買い出しで忙しくなる16時にはレッスンが終わるので需要が高いと思います。

 

夕方のデッドタイムは子供向け

夕方は、主婦もシニアも人気がなく、ビジネスマンにも早すぎる不人気の時間帯ですが、

このデッドタイムは、ターゲットがはっきりしていて、

子供向けのプログラミング講座やロボット教室には最適の時間となります。

 

夜の時間

夜は、働いていて帰宅するビジネスマンやOLに合わせることになります。

ビジネス街までの通勤時間も考慮して設定することになります。

多くは18時~19時スタートになると思います。

 

子供は時間割にシビア

夕方の時間のターゲットは、主に小学生が中心となりますが、地域によって曜日による多少の調整が必要かもしれません。

例えば、私の教室の近隣の小学校では、毎週水曜日が学校が早く終わる時間です。

学年によっては6時間授業がある日は間に合わない、などといったケースや、

低学年だと親の送り迎えが必要のため、早すぎる、などといったケースがあります。

しかし遅すぎると夕食に間に合わない、小さいと帰りが心配などと、

15分程度の時間差でも敬遠される場合もありますから、よく調査の上で設定されるか、

曜日に合わせて時間割を変えるなどの工夫・調整が必要になります。

また、小学校低学年などは、空気を読まずに大騒ぎしたりしますから、

一般の生徒と同じ時間には設定できるかどうかも考えなくてはいけません。

 

最後に

たかが時間割かもしれませんが、

生徒や自分の都合にあわせて、何となく設定するのと

戦略的に設定するのとでは、大きな差が生まれます。

 

客商売ですから、基本はお客のニーズに沿うのが基本となりますが

当然ながらビジネスですので、効率性や収益性も考えなくてはいけません。

特にコマ数によっては、売上が1.5倍、2倍も差が出ます。

生徒にとっても、教室にとっても効率の良いのが理想の時間割です。

 

これからパソコン教室を開業する方、

リニューアルを考えている方の参考になれば幸いです。

生徒の笑顔と教室の繁栄のために!

日本パソコン教室経営者連合会

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