理事長の澤嶋です。
東京世田谷で17年間、パソコン教室を経営してきました。
「パソコン教室を経営しているけど全然儲からない」
「これからパソコン教室を開業・独立したいけど、儲かる?」
など、多くの相談が寄せられるようになりました。
中には、「成功のノウハウを言い値で買いたい」などという方もいらっしゃいました。
でも売りたくても売れないんです。
というよりも売れるようなものではないので。
私の教室では、毎年のように生徒数も利益も更新していますが、開業から7年間は赤字続きで大変苦労しました。
そこから脱出できたのは経営者自身の意識の変化にありました。
そう、周りの環境のせいでも、教材のせいでも、他の人のせいではなく、自分自身でした。
今回は、売りたくても売れないそのノウハウを少しでもお伝えしようと思います。
成功させるための経営スキルとは
今では、失敗から得た経験をもとに、多くのパソコン教室の開業支援や経営相談をしています。
パソコン教室をやるからにはパソコンに詳しい方が多いと思います。
おそらくこの記事をここまで読んでいただいているあなたも、パソコンは人並み以上に、おできになる方ではないかと思います。
パソコンのスキルもないよりはあったほうがいいです!でも、実は、パソコン教室を成功させるために必要なのは、パソコンに関するスキルだけではありません。
そのスキルは持っていて当然で、成功に必要な経営スキルとはまったく別物です。
経営難や儲かっていない教室の多くは、以下にあげる5大要素のいずれかが低い場合がほとんどです。
パソコン教室の成功に必要な5大要素
- 集客
- 提案
- 継続
- 教材
- 情報収集
大きく分けるとこの5つです。
それでは一つ一つ紹介していきたいと思います。
集客
パソコン教室にとって非常に重要な要素は「集客」です。
「集客が上手くいけば他は何とでもなる」といっても過言ではありません。
とは言いましても、今の時代は集客の氷河期です。
一昔前は、新聞の折り込みチラシでも入れれば、すぐに電話がなる時代でした。
「新聞の購読者が減っているから折込チラシ入れても集まらないよ」
「毎日ポスティングしているけど思ったほどの成果が上がらない」
「チラシで集まらないからHPやブログを始めたけどやっぱり集まらない」
こういった嘆きをよく耳にします。
普通にパソコン教室を営業していると、どうしてもこの業界は「立地勝負」となってしまいます。
立地も重要ではあります。もしこれから開業しようという方は家賃には集客費用が入っていると考えてください。
しかし立地だけですと、どうしても家賃が高くなってしまいますから、
我々のような小規模な経営者はもっと頭を使う必要がでてきます。
よく「大手フランチャイズに入れば集客もいいのでは?」と思っている方がいらっしゃいます。
確かにフランチャイズに入れば、集客に必要なツールは提供してもらえますし、
中には集客力の高いショッピングセンターのテナントを斡旋してもらえる場合もあります(コストパフォーマンスが見合うかは別問題です)
はっきり言うと、フランチャイズに入っても集客は増えません。
それは、パソコン教室のフランチャイズには多かれ少なかれ、看板の力、お客さんが通いたいと思うほどの講座やブランド力がないからです。
教室を開業すると、とたんに「広告に掲載しませんか?」「もっと生徒を増やしたくありませんか?」などと
嫌というほど営業の電話がなることがあります。場合によっては広告をみて電話をしてくる見込み客よりも多いのでイラっとしますね 笑
もし資金に余裕があれば、調査や経験を増やすために出稿しても良いと思いますが、多くは広告費に見合う結果が得られないことが多いのであまりお勧めしません。
間違えてはいけないのは、彼らは広告枠を売ったり作るのが仕事であって、集客のプロではありません。
ですので、経営者自身が集客のプロになって、お金もだして、日々集客活動を行うことになります。
実は集客は、媒体よりも戦略と内容が重要です。これが理解できないと余計な時間と出費を強いられます。
集客が上手くいっている経営者は、タイミングも媒体も関係なく、結果が出せます。
これは魔法のようなノウハウを知っているか知らないかではなく、いかに消費者目線になれるのか、工夫と努力の積み重ねにより得た集客スキルの差なのです。
提案
がんばって集客しても、せっかく問い合わせにきた方が入会してくれないと意味がありません。
いかに「興味」から「やる気」へ切り替えていくか、提案するスキルが求められます。
また入会させたらそれで終わりではなく、
生徒のモチベーションをあげたり、新しい講座や必要なものを提案していかなければいけません。
提案のスキルが低いと、入会率が下がります。
また生徒の満足度も下がり、忙しい割には儲からないという状況になりかねません。
継続
せっかく入会しても生徒がすぐ退学しては利益が続きません。
このスキルが低いと経営は長続きしません。
いかに生徒が長く通ってもらえるのか、日々の工夫が必要です。
今の時代のパソコン教室は、パソコン教室バブル時代とは違い、
極端な集客UPは見込めません。
従ってここまで上げた3要素のうち、
特に「提案」「継続」は重要です。
これができない教室は現状維持がやっとか、ジリ貧になってしまいます。
教材
理想は教材を自社で開発することです。
しかし現実は、パソコンのコンテンツは日々進化し、更新が頻繁にありますので、
すべてオリジナル教材にするのは、規模が小さい教室には現実的ではありません。
市販の教材は、パソコン教室には向いていないものがほとんどです。
従って多くのパソコン教室は、フランチャイズに加盟することで使える教材を利用したり、教材だけを提供してくれる会社と契約することになります。
パソコン教室は、その主力商品である教材を他社に依存することになりますので
教材会社やフランチャイズの選択は重要です。
実は、先生のスキルが高ければ、どの教材をつかってもある程度は結果は出せます。
逆に、スキルが低い先生は、どの教材でも使い切ることができずに苦労します。
よっぽどひどい教材でなければ、基本、弘法筆を選ばずです。
パソコンに詳しくても、教材を上手に活用するスキルを身につけなければいけません。
とはいっても、熟知している先生だけが教えることができない教室では、先生を雇って規模を拡大するのに時間や人件費がかかってしまいます。
そのため、今後の発展まで考えると、やはり良い教材が必要不可欠です。
- 講座がわかりやすい… 初心者層をカバーできる、人件費を抑えることができる
- 講座の種類が多い… 広いターゲットにリーチできる、継続が長くなる
- 講座の開発スピードが速い… 集客UPや差別化ができる
すべて理想な教材に出会えればいいのですが、現実は1つの教材だけに頼ることができず、複数の教材でカバーしたり、足りないところは自社製作するなどして補うことがほとんどです。
情報収集
パソコン業界は変化が激しいので、日々の情報収集は大切です。
フランチャイズに加盟すれば、ある程度の情報は本部から流れてくると思います。
しかしそれだけでは不十分です。
一方的な情報になりがちですし、フランチャイズの本部は横同士の連携を嫌う傾向があります。
(逆にそれを推奨しているところは良心的なフランチャイズだと思います)
他には、我々日パ連のように、経営者が集う組合もあります。
こういったところは会費を集めて活動を行い、同じ立場の同業者同士ならではのリアルな情報共有ができます。
決まった教材を使う人でしか入れない組合や、本部が利益追求型ですと、単純にフランチャイズと変わらない場合がありますし、
逆に無料のユーザー会ですと発展が望めません。
気になる組合があれば、勉強会に体験参加をさせていただくなどして見極めをしてみてください。
同業者との交流を大切にし、情報共有に積極的な方ほど成功されている経営者が多いです。
最終的には経営者自身が行動を起こさなくてはいけない
これらの5大要素は、開業当初はスキルが低くても経験を積み重ねていくことでよりアップしますが、
昔はぶっつけ本番で開業しても、集客が極端に良かったので、成功と失敗を繰り返して強引に軌道に乗せることができました。
おそらく私もその中の一人です。
ところが最近のパソコン教室は、これらのスキルが極端に低いと、最初から利益が見込めません。
スキルが低いのに勢いで開校して1年もたたないうちに廃業してしまう教室も珍しくありません。
資金が豊富にあればいいのですが、限られたお金と時間を無駄にしないためには、開業前に実地研修を受けるなどして、少しでもスキルアップをしておくことだと思います。
私の教室でも研修生の受け入れを行っていますが、真剣な方と、仕方なく研修する方では開業直後からすぐ差が出ます。
見様見真似では上手くいきません。やはりここは経験が物を言います。
経験者ではない限り、今の時代はフランチャイズに加盟してある程度環境が整った状態からスタートしたほうが無難です。
個人開業でも、フランチャイズに加盟しても、
これらの5大要素を満たすためには、経営者自身が行動を起こさなければなりません。
最終的には経営者自身の積極性と行動力が
すべてにおいて大事になってくると思います。
生徒の笑顔と教室の繁栄のために!
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