理事長の澤嶋です。
東京・世田谷で17年間、パソコン教室を経営してきました。
失敗が許されない時代
自分も「失敗」は何度もあります。
昔はチラシを撒けばいくらでも生徒が集まる時代でしたから、パソコン教室の経営なんて、ハコとパソコンだけあれば何とでもなる、と思っていました。
辞めていく生徒はほっておけばいいし、生徒が少なくなったらまたチラシを撒けばいい。
そんな時代でしたから、スキルがなくても、失敗とチャレンジを繰り返すことで、少しずつ経営スキルを上げていき、何とか軌道に乗せることができたのです。
ところが今の時代は、お店や必要なハードウェアが整っていても、パソコン教室経営スキルが足りないと、初っ端から集客に苦労します。
やっと集めた少ない生徒にいかに提案して、継続させることができるかも重要です。ここもスキルのあるスタッフと、スキルないスタッフでは雲泥の差が出てしまうのです。
ですので、ここ最近は、開業してから半年、1年であっという間に閉店しまうパソコン教室が後を絶ちません。
これからパソコン教室を開業するかたは失敗が許されない時代なのです。
これからのパソコン教室は「全世代対応型」
昔と今の違いですが、まず大きいのがターゲットの細分化です。
昔は、とにかくどこの教室も「シニア層」をメインターゲットにしていました。
超初心者に1からパソコンを教えてあげる講座ばかりですから、講師のスキルもさほど必要ありませんでした。
ところが今は、パソコンを触ったことがないような超初心者はまれになり、ターゲットが拡大・細分化しています。
そのため、これからのパソコン教室は、シニア層だけではなく、主婦層、ビジネス層、資格取得やスマホばかりの若年層、小学生まで、幅広い層へ対応できる教室ではないと、パソコン教室単体の事業だけでは経営が成り立ちません。
逆にシニア層に絞っていて変化に対応できないパソコン教室は、次から次へと業界から去っていきます。
集客スキルが経営を左右する
昔は「パソコン教室です!生徒募集!初心者歓迎!親切丁寧に教えます」のようなチラシに、「今なら入会金無料」などといった特典をつければ、生徒を集めることができました。
ところが今は、そのような集客方法はコストパフォーマンスに見合いません。
一番簡単な集客方法は、よい立地にパソコン教室をオープンさせることです。
すでに開業しているなら、体力のあるうちに移転を考えても良いと思います。
何も駅前の一等地でなくてもいいのですが、人の流れがあり、1階店舗で、安心して入りやすい物件が理想です。
昔はチラシを撒けば集客が見込めたので、極端に立地が悪くなければ、生徒を集めることができました。
2階以上の店舗や、マンションの1室で開業する方、住宅地にある自宅で開業、なんていうケースでも、何とか食っていける時代でした。
今はチラシやWebで集客するためには、経験や集客スキルを持っている方でないと結果が出ません。
立地が良いことで集客スキルを補うことができますし、一瞬しか目に触れない広告媒体に何十万円もかけるよりも、24時間宣伝してくれる立地のほうが圧倒的に宣伝効率が良いのです。
パソコン教室を運営すると、規模によりますが、少なくても月に5万円~10万円は、宣伝広告費となります。
人が集まらない家賃10万円の物件よりも、集まる20万円の物件があるとしたら、自分なら絶対に後者を選びます。
好物件はそれなりに家賃も高いかと思いますが、家賃に宣伝広告費も含まれていると考えてください。
パソコン教室業界の将来性
ネットを見ると、パソコン教室はあと10年で終焉するとか、習う人がいなくなる、未来がないのような書き込みを目にしますが、よく見るとすでに廃業されている経営者もいたりして、自分にしてみると「負け犬の遠吠え」としか感じません。
超初心者やシニアに偏って食っていけた時代は、まさにパソコン教室バブルでした。
どの業界にも言えることですが、経営者が時代の変化に対応できなくては、結末は一緒です。
スマートフォンの普及にしたって、10年前に誰がこれを予想していたでしょう?
日本をけん引してきた有名な大企業が窮地に追い込まるこの時代に、どの業界にも安定なんてありません。
様々な業界にいた自分ですが、パソコン教室の強みというのは「人とのつながり」と「なんでもできること」です。
パソコンを教えるだけではなく、パソコンを売ったり、メンテナンスしたりもできる。
地元商店街とアライアンスを組んだり、企業とB to BまたはC to Bのサービス連携もできる。
面白いのは、仲間の教室では、農産物を販売したり、占いをやったりしている教室もいる。
何もパソコンを教えるだけが商売ではない、というところです。
パソコン教室って、他の業態では考えられないほど生徒とのコミュニケーションがあるんです。
地域密着型のお店って、それ自体が強みなんですよね。
弱いところを愚痴るのか、強みを生かすことができるのか、
それも経営者次第だと思います。
生徒の笑顔と教室の繁栄のために!
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