理事長の澤嶋です。
17年間、東京・世田谷でパソコン教室を経営してきました。
パソコン教室って自宅でも開業できるの?
パソコン教室で起業しようとしている方の中には、自宅の一部を利用して開業したいという相談を受けます。
私自身はテナントを借りて営業していますが、日本パソコン教室経営者連合会(通称:日パ連)の会員の中にも、自宅の一部を改装して営業している教室様もいらっしゃいます。
自宅開業では、小さなお子様がいるオーナー様でも出勤のための外出が必要ありませんし、保育園に預けることもないので安心だと思います。
場合によっては、平日は会社勤務をして土日などお休みの時だけ副業でパソコン教室を運営することもできます。
色々とメリットがありそうな、パソコン教室の自宅開業ですが実際のところはどうなのでしょうか?
開業資金はいくらぐらい必要でしょうか?
自宅で開業するメリットとしては、まず開業資金が低く抑えられる、家賃などの固定費がかからない、といった点がメリットになるかと思います。
パソコンの台数やフランチャイズに加盟するかどうかなど、規模や設備により様々ですが、30万円~250万円程度は必要になると思います。
自宅開業の場合、資格は必要でしょうか?
パソコン教室の開業にあたっては、特に資格や認可は必要ありません。
ただし所轄税務署に開業届けを提出する必要があります。
もしご自宅が、マンションや賃貸の場合は、本来は住居として契約をしているので、事務所や店舗として利用する場合は管理会社や大家への確認が必要です。
子供を受け入れる場合、大声を出したり騒いだりすることがあるかもしれません。
不特定多数の出入りが多いと近所の方も不安になりますので、ご近所への配慮も必要になります。
他人を自宅に入れる都合上、プライベートな空間と、仕事の空間の線引きもしっかりしてかないといけませんし、家族の協力や理解も必要です。
立地の問題
パソコン教室はお店であり、仕事はサービス業です。
ですので、通常は人通りのできるだけ多い場所にお店を構えます。
ご自宅が商店街や商業施設、駅前であればいいのですが、多くはそういった場所から少し離れた住宅街になるのではないでしょうか。
そのためご自宅で開業する場合、テナントよりも不利な立地になる場合が多く、人を集めるのが難しいことを考えなくてはいけません。
郊外店であれば駐車場の確保が必要だったり、都心ですと自転車を置くための駐輪場も必要になります。
入りやすさが重要
ご自宅(お店)にパソコン教室の看板があり、中の様子がガラス越しに見えて、どなたも入りやすい店構えが理想ですが
マンションの1室だったり、見た目や入口がほぼ住居であったりすると… 分かっていても、一般の方はチャイムを鳴らしたり、ノックして入りにくいものです。
パソコン教室は、通常のお店よりも、特に初心者にとっては敷居が高く感じられるので、ただでさえ入りずらいものなのです。
外看板や中の様子をわかりやすくするなどの工夫が必要になります。
集客をするなら差別化が必要
パソコン教室の仕事で大変なのは、何も教えることだけではありません。
「パソコン教室の経営の中で、一番大変な仕事は何ですか?」と聞けば、「集客です!」と答えるオーナーがほとんどだと思います。
当然ですが、生徒が集まらなければ経営は成り立ちません。
ご自宅でさほど経費もかからないから、ウチは少しの生徒でいい、という方もおられるかもしれません。
確かに、テナントと違い自宅であれば、経費は普段とあまり変わりませんから、それほど集客に必死にならなくても良い場合もあります。
自宅で開業したいと考えているあなた自身が、どのくらい生徒を集めたい(稼ぎたい)のかにもよりますが、
全国的にもパソコン教室は立地勝負ですから、本当に稼ぎたいという方にとっては難しいのが現状です。
ライバル店にはない、思い切った差別化が必要だと思います。
自宅でやる不利な点をどう活かすか?がキーポイント
お客の心理から考えると、近所の自宅の一室でひっそりやっているパソコン教室よりも、商業地域で生徒もたくさんいるパソコン教室のほうが通いやすいと思います。
自宅開業するパソコン教室が成功するには、他にはないサービスや講座、メリットを考え、思い切った差別化が必要になります。
場合によっては、女性専門、フォトショップ・イラストレーター専門、スマートフォン専門など、ターゲットを絞るのもお勧めです。
教えるインストラクターの人柄や、教室の様子をわかりやすくして、安心して入りやすい教室作りに気を遣いましょう。
最終的には、その教室でしかできない講座やサービス、インストラクターに魅力があるかが勝負になると思います。
自宅開業は気楽ですが、ビジネスとなればテナントを借りている教室以上にがんばらなくてはいけません。
ですので、資金も少ないので「とりあえず自宅で開業してみたい」のような考えでしたらボランティアでもない限り、辞めたほうがいいと思います。
正直、自宅で簡単に稼げるのなら、誰も苦労しません。
最後に、「自宅で簡単に開業できる!」などとうたっているフランチャイズの口車には決して乗せれないように気を付けてください。
生徒の笑顔と教室の繁栄のために!
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