パソコン教室運営にオススメの試験
パソコン資格には、一般ユーザー向けから専門性の高いものまでさまざまですが、パソコン教室で受験できる資格でポピュラーなのは、エンドユーザー向けのソフトウェアに関するもので、WordやExcelの操作スキルを証明するものが中心です。
それ以外にはフォトショップやイラストレーターといったものもありますが、最近は子供向けのプログラミング講座に関する資格も人気が上がってきました。
有名なのはMOS。他にもサーティファイやP検、日商検定など、さまざまな資格があり、ソフトメーカーが管轄しているものから、民間団体や企業が管轄しているものなど、さまざまな資格があります。
試験校になるには各資格により諸条件ありますが、
ネームバリューでいったらMOS。
実用でいったらサーティファイがオススメです。
パソコン教室を開業したら、試験校になったほうがいいの?
WordやExcelといった講座は全国どこのパソコン教室にもありますが、その教室で資格が取得できる、いわゆる試験校は、やっているところとやっていないところに二分されます。
日パ連の会員教室は全国に約70校(2020年8月現在)ありますが、資格取得が可能な教室は全体の3割程度、条件が厳しいMOS試験校は少数です。
全国のパソコン教室をまわってきた私の感覚的には、試験校になっているパソコン教室のほうが圧倒的に少ないです。
なぜなんでしょうか?
小規模なパソコン教室は、手がかかる割には利益が少ない試験をやらなくても収益が望めるからです。
試験校は儲からない
資格が取得できるスクールと聞くと、大手の専門学校を連想するかもしれません。多くの人が試験合格を目指して高額な授業料を支払い、通うイメージがあり、何となく儲かりそうな印象を受けるかもしれませんが、資格をメインに収益をあげられるのは大手のスクールなど一握り。
多くの小規模パソコン教室では大きな収益は見込めません。
受験者が支払う受験料は1万円以上もするのに、教室が受け取れるマージンはその1割程度、というものもあります。学割だとさらにマージンは減りますし、FCに加入している場合、本部からもさらにマージンを取られてしまいます。
それなのに、集客・予約・受付・申し込み・入金管理・試験官対応・マシンやソフトウェアの維持管理など、大変な業務はすべて教室がやらなければいけません。
都市部の大手スクールなら年間1000以上の試験数を稼げますが、個人のパソコン教室ではせいぜい年間100試験程度。その場合は年間約10万円。月に1万円にもなりません。普通に考えたら赤字ですね。
一般の受験者は、本当は受け入れたくないという本音
試験校になると、自分の教室の生徒だけでは受験者数に限界があるため、外部受験者を募ることになります。いわゆる一般のお客様です。
校内受験者よりも一般受験者のほうからもらえる受験料のマージンを高くしていたり、年間に一定以上の受験者数がないと高額な年会費を払わないといけないなど、資格によりルールががあります。要は、外部受験者を募らないと不利な運営になる仕組みになっています。
一般受験者が増えると、そこからパソコン教室に通いたい人が増えますよ、ようは集客としても使えるんですと、本部の人間はよく言ってきますが、それはパソコン教室の現場を知らない人間のセリフです。
一般の受験者のほとんどは独学で試験勉強してくる人たちです。こういった方の多くは自分で勉強できるので、パソコン教室にはもともと通わないキャラクターの方たちですので、試験を受けに来るだけで入会には結び付きません。
中には常識外れたような方(大声、無断欠席、マナー違反など)もいますし、マシントラブルや騒音でクレームをされたりする可能性も高いので、受験者数をかせぐために嫌々受け入れている場合もあります。
試験センター開設に暗躍する悪徳FC本部
ネームバリューの高い資格試験なら、受験者数はそこそこ見込めますが、集客自体も全部自分でやらなければいけませんし、何と言っても人件費やソフトウェアの導入費は高額です。
「試験センター設置で売上UP!」などと募っている悪徳パソコン教室フランチャイズ本部があります。法人ではないと申し込めない試験校に、本部が名前を貸してあげることで、個人事業の教室でも試験センターが運営できる。高いソフトウェアライセンスも無償で提供しますよと言ってきます。
あまり知らない開業者にとっては夢のような話かもしれませんが、オチがありますので注意してください。
FC本部は名前を売るために多くの試験校を設置しようとします。試験を管理する運営団体のPRして有利な条件にします。
それにより受験料にかかる中間マージンを摂取します。
また、試験校が増えることで規模を大きく見せかけて「試験センターでさらなる売上UP!」などと謳って、何もしらないパソコン教室開業者を募ります。
本当に儲かるのは、何もしなくてもマージンがもらえるFC本部。
実際に動かなくてはいけない教室は、収益はたったの1割、2割だけです。
FC本部は何もしないのにお金を取るのかよ?それなら自分でやろうなどと思ってもは時すでに遅し。
試験校を辞めようとすれば「ウチを辞めたら運営できなくなりますよ」と脅して、それでも辞めようとすると、違約金だの、裁判だのと、パワハラを受けます。FC本部も、せっかく洗脳した売り子に勝手に脱退されては困るのです。実績もマージンも減りますから。
とある教室では、地域でも毎年のように受験者数トップでした。
何のメリットも恩恵もない、FCの看板を外して運営をすることになったとたん、FC本部から理不尽なパワハラや不当な妨害工作を受けました。
他にも、無償で提供してもらっていたライセンスを返却しろなどと言いがかりをつけて、誰も使わないような価値のないバージョンのライセンスを勝手に消したなどと、莫大な違約金を請求するといった事例が報告されています。
FC本部に頼らないこと。
つまりは、FC加盟者の利益は考えてません。黙って面倒な試験をやってもらう人を増やし、自分たちは楽して儲けることしか頭にないのです。しかし、右も左もわからない開業当初は、そんな裏事情もしらないので、甘い言葉に誘われて、ついFCに頼りたくなる方も多いんです。
実は試験センターをやろうと思えば、FCに加盟しなくても、自分一人でできますよ。個人・法人問わず開設できる試験はたくさんありますし、法人限定なら法人になってから開設しても遅くはありませんし、実績が上がれば法人成りしなくても許可が出ることもあります。
それに、開業当初は、生徒も試験を受けるほどレッスンが進んでいませんので受験者数はあまりなく、手間がかかる外部受験者ばかり相手にしなくてはいけません。ただでさえ開業から2年ぐらいまでは集客や運営スキルをあげることに忙しいですから、手間がかかり儲からないことは極力避けたほうが無難です。
ライセンスに関しても、いくら看板が同じだからと言って資本関係が同一ではない本部が又貸しする行為は、貸すほうも借りた教室も、ライセンス規約に抵触する可能性が出てきます。
またサーティファイなどは、個人でも開設できますし条件もさほど厳しくありません。パソコン教室に通う生徒への目標とするのが目的なら、十分です。
もしこの記事をみているあなたがこれからパソコン教室を開業しようとしているなら、まずはコンテンツや教え方のほうに力を注いだほうが良いと思います。試験校は2年後でも遅くはありません。
後から痛い目に合わないためにも、自力で試験校を目指すことをお勧めします。
それでも、試験校をオススメする理由
パソコン教室の試験だけでは儲かりません。
ただし使い方によっては利益が見込めます。
それは、資格を目標にしてあげて通ってもらえるようなスキームを、上手に生徒へ提案することです。試験はあくまでも道具の一つ。
パソコン教室に入ると、しばらくの間はぐんぐんとスキルが上がってきますが、やがて停滞期がきます。ある程度、WordやExcelが使えればそれでいい、と思っている生徒も多いのです。
そういった生徒に、資格を提案して目標をもってもらい刺激を与えて、さらにたくさん通ってもらうようにするのです。
試験校になる目的をしっかり持って運営していただければと思います。
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