理事長の澤嶋です。
東京・世田谷で17年間、パソコン教室を経営してきました。
パソコン教室キュリオステーション創業者の石川容疑者逮捕のニュースを知って
2018年1月17日、パソコン教室キュリオステーション創業者の石川容疑者が出資法違反で逮捕されました。
石川容疑者はパソコン教室を全国展開している「キュリオステーション」の創業者で、
2012年3月~15年12月に取締役だった。現在は退任し、別の会社の役員を務めている。県警は、投資に実態はなかったとみて調べる。
石川容疑者は15年4月~16年1月ごろ、「月利1~1・5%の特別な投資枠がある。2カ月前までならいつでも解約できて、元金は全額必ず返る」などと持ちかけ、
千葉県船橋市の男性から4千万円、川崎市の男性から100万円を集めた疑い。石川容疑者は11年以降、個人で主宰するビジネスセミナーなどの参加者らに声をかけて、少なくとも計13人から約2億3千万円を集めていたという。生活費のほか、配当金として別の出資者に回していたという。
2018年1月21日 朝日新聞デジタルより
よく知っているパソコン教室フランチャイズ店だけにびっくりしました。
すでに石川容疑者はキュリオステーションを退職していますが、有名なパソコン教室フランチャイズの創業者だけに、
「パソコン教室」という肩書がニュースのタイトルになってしまいショックを受けています。
日パ連にも、同じ看板をしょって経営している教室もいます。
私はキュリオステーションとは直接関係がありませんが、石川容疑者とは同じ東京の世田谷区の人間ですから、人ごとのように思えないですね。
パソコン教室の経営の仕組み
パソコン教室のことをよく知らない一般市民にとっては、パソコン教室の関係者も講師もひとくくりで考えてしまうと思いますが、実際はかなり違います。
街の小さなパソコン教室は、経営者一人では商売が成り立ちません。
教室名にフランチャイズ名が入っている場合、本部の直営校もあれば、フランチャイズ校の場合もあります。
私はパソコン教室の経営者でも、フランチャイズには加盟しておりませんが、
パソコン教室で開業する方の多くは、フランチャイズ本部と契約、加盟して看板を借りて開業します。
中にはフランチャイズ名はつけずに、独自の教室名の場合もありますので、見分け方は難しいです。
基本的にこの商売は、フランチャイズ本部・パソコン教室経営者・パソコン教室講師 と、3つの連携から成り立っていて
兼任している場合もありますが、それぞれ立場が異なります。
もう少し細分化すれば、そこに教材を制作・提供している会社や、我々、日パ連のような組合組織もあります。
大きく分けますと、生徒に接している立場と、接していない立場に分けることができます。
前者の人間にとってのお客様は、生徒ではなくパソコン教室です。
パソコン教室に、ビジネスモデルやノウハウ、教材を販売して収入を得ます。
後者の人間にとってのお客様は、一般市民である生徒です。
パソコン操作や活用方法を教えることで、月謝や受講料という形で収入を得ます。
おそらく、石川容疑者は前者の立場の人間だと思います。
ですから、現場で日々、一生懸命に生徒に教えている先生とは遠い立場ですから
同じ看板をつけているという理由だけで、悪いイメージを持たないようにお願いしたいと思います。
なぜかお客さんをはき違えてしまうパソコン教室業界。
パソコン教室という商売が成り立つのも、通ってくださる生徒のおかげです。
直接生徒と接することがないフランチャイズ本部の人や、教材を製作している会社の人でも、
生徒が喜ぶことは何なのか?を常に考えなければいけません。
ところが、パソコン教室も時の流れとともに、変化を求められていて、
それに対応できない教室や、生徒からの収益で満足できない、もしくは、天井が見えてくると、
生徒だけではなく、同業他社から利益を得ようとします。
これは、ビジネス展開としては当然の流れなのですが、
中には、自社の利益だけを重視するあまり、生徒のニーズを棚に上げたような提案や、
ビジネスのネットワークを悪用するケースも出ています。
- ネットワークビジネス
- 投資話
- 経営コンサルティング
といった怪しい話を持ち寄る方々。
パソコン教室の経営者から、お金をいかに巻き上げようかと考えている悪徳フランチャイズやコンサルティング。
本当、この業界にはこんなのが多いですね。私の周りにも片手で数えるぐらいいます。
こういった方に限って、実は全然儲かってなかったりします。
そんなに儲かるなら、お前がやれ!っていう話ですね。
今回の石川容疑者は、たまたま逮捕されたのだと思います。
これは氷山の一角です。
パソコン教室というのは、生徒ーパソコン教室ーフランチャイズ本部 というつながりによって、成り立っている地域密着型のビジネスです。
この3者がそれぞれWin&Winの関係とならなければいけませんし、そのバランスを保つことが重要です。
この記事を御覧になっているあなたが、もしパソコン教室業界の方でしたら、
生徒の笑顔なくしてこの業界は成り立たない、発展しない、ということを忘れないでいただきたいものです。
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