理事長の澤嶋です。
パソコン教室を開業すると、まず行う大事な仕事が宣伝です。
ところがチラシを撒いてみたものの、思ったほど効果が上がらない。
こういった経験もあるのではと思います。
基本は紙媒体による集客です
チラシでだめだから、他の宣伝媒体を試してみるか!と考えたくなると思います。
最近は新聞の購読者が減っているから、折込チラシなんか撒いてもだめだよ。というオーナーさんもいます。
悪いのは媒体ではない
たしかに、ポスティングや新聞折り込みの集客力は下がってきていますが、
媒体が悪いか、というとそうでもありません。
例えば、私の教室では、撒けば50件以上は必ず申し込みがある実績のチラシがあります。
チラシの内容は一般公開できませんので、日パ連会員だけで共有していますが、
このチラシを折り込みで入れただけで、最大で300件以上も申し込みの電話がなった驚愕のチラシです。
この経験から、宣伝効果が思わしくないのは、広告媒体よりも内容次第、だということを確信をしました。
集客スキルを上げよう
「チラシで人が集まらない」方の多くは、媒体や立地の問題よりも、
集客のスキルが低いことが多く見受けられます。
逆にチラシで集客ができる方は、
たまたまではなく、失敗と検証を何度も繰り返してきてスキルを高めているのです。
ですので、生徒が集まらないからと言って
Webや他の媒体に次々に手をだすよりもまず、
頻繁ではなくてもいいので、実践と検証を繰り返しながら
定期的に紙媒体による集客を行い、集客スキルを高めていくことをお勧めします。
集客スキルが高まれば、どの媒体でもそれなりの効果を上げることができると思います。
集客をする前に抑えておきたい大事な3つのポイント
ただ、カンと勢いに任せて、闇雲に一方的な宣伝を行うのではなく、
- どのエリアの
- どのようなターゲットに
- どのように誘い 集めるのか?
この3つは、宣伝媒体に関わらず非常に重要なことですので、思い込みでも構いませんのでイメージしておきましょう。
これが定まっていないと無駄な出費を強いられます。
今回はエリアの選定から考えていただきたいと思います。
商圏を調べる・予想する
まずは、市町村の役所や図書館で、その場所の世帯数や人口状況などを統計資料にて調査します。
これはだいたいどの業種でも行うことです。
その町の状況を調べることで、その土地の性質や発展性、予想生徒数など、今後の運営に役立つことが大まかに得られます。
これらは行っておいて損はありませんが、
一番大事なのは、自分の目と足をつかって確認することです。
- 街を歩いている方の年齢層や特徴。
- その街にあるお店や業種。
- 住宅街から教室方面への人の流れ などなど。
これらを、できれば時間や曜日を変えてチェックをしていきます。
商圏を予想・分析してみよう
例えば、この画像。
これはとあるパソコン教室で、生徒がどこからお越しになっているかをわかりやすくしたものです。
画像中央を右上がりに、横切る青いラインが電車の線路になります。
教室は、画像の中心付近の大きな赤い丸の位置にあり、線路よりも北側(上)にあります。
絶対商圏と有効商圏
これを見ると、以下のように、生徒が集中して集まっている真っ赤なエリア(絶対商圏)は南北に縦型に伸びているのがわかります。
この楕円の枠内が、もっとも客が訪れているその教室の「絶対商圏」となります。
枠外は「有効商圏」と呼んでいます。
絶対商圏は縦型になったり、場所によっては横型になったりします。
不思議なことに正円にはなりません。
車が日常の足となる地域や郊外の場合は、絶対商圏が複数できる現象もあります。(分散します)
商圏を阻害する障害物
絶対商圏と有効商圏の境目には・・・
実は、青い線のような幹線道路や河川があるのです。
中には、片側1斜線ですぐ横断できるような道幅の狭い道路もあるのですが、
それでもデータ上では障害になってしまっているのか向こう側からの客は減ってしまいます。
駅近の物件では、線路の反対側からの客も減ります
この教室は駅から北側に徒歩1分の場所にあるのですが、
画像を見ても、わかるように実は線路の反対側からも少し客が減っています。
距離も、南側よりも北側からのほうが遠方からも来ています。
このように、道路・河川・線路などが商圏を寸断する障害物となります。
また、近隣にライバル教室が近くにあれば、その教室の商圏も予想しなければいけません。
また、集客力の高い施設があると、人の流れが変わってきます。
商圏を知ることで効率的に宣伝ができる
上記の場合の、絶対商圏と有効商圏の比率は、約8:1ぐらいです。
ということは、有効商圏よりも、絶対商圏のほうが宣伝をするのに8倍も効率が良いということなります。
ですので生徒が来ないからとエリアを広げるよりも、
絶対商圏に集中して、部数よりも回数を増やして宣伝していくのがベターとなります。
こういう実態を知らないFC本部は、生徒がこないと言うと「もっと広範囲に大量にチラシを撒いたほうがいい」などと
無責任なアドバイスをしてくることがありますので注意が必要です。
仮に絶対商圏に一生懸命宣伝をしているのに、それでも生徒が来ない、のであれば
ターゲットや誘い文句がずれている可能性がありますので、チラシであればその内容を考え直す必要があります。
カンも大事ですが、カンだけに頼らずに
教室を運営していると、意外に遠方からも生徒が来ていることがあります。
そこから複数の生徒が入会したりすると、良い風に考えてしまいがちです。
「結構遠くからも来ているんだなぁ」と思ってしまうことがありますが、
このようにマップでデータを出してみると、さほど来ていないことがあります。
いずれにしても、特別な要素がない限りは、
絶対商圏以上に販促効果の高い地域が遠方にある、なんていうことは考えられません。
ピントが狂わないようにデータで、しかも視覚的に商圏を出して、定期的にチェックすることをお勧めします。
商圏の把握に便利なWebサイト
Google Map上に、住所を1件ずつプロットするのは大変面倒です。
そこで私のおすすめのWebサイトは「Bach Geo」です。
こちらを使うと、住所録データの入ったスプレッドシートをドラッグ&ドロップするだけで
簡単にマップを作ってくれます。
データ数に制限がありますが無料でも必要十分です。
すでにパソコン教室を運営している方なら生徒の住所。
体験や問い合わせに来ただけの方でも住所がわかれば
一度お試しになってみてください。(種別によって色分けも可能です)
また、これからパソコン教室を開業する方は、まだ生徒の住所などの実績は当然ありませんので、
マップや現地調査により、絶対商圏や商圏の障害を予想して
その立地の性能を見極めてみてください。
生徒の笑顔と教室の繁栄のために!
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